毎年、11月3日はイモリ谷でお神楽のある日です
例年ですとお神楽の日の午前中に子供御輿が村の家々を回るのですが
今年は13年間続いてきた子供御輿が出来ませんでした。
文化祭などの行事が同じ日程に重なった事が主な原因です。
御輿の担ぎ手である子供たちの人数が少ないという現状もあります。
大変残念ですが今年は一旦お休みして来年からは復活したいですね。
鬼に立ち向かう元気な子供もいるのです。
紅白のおモチが宙を舞うと祭りのボルテージもあがります。
お餅〜
祭りは長丁場です。夜は冷えました。
神楽では色々な演目が舞われるのですが
毎年最後は「岩戸開き」があります。

「岩戸開き」

高天原にある天の岩戸に天照大御神がお隠れになってしまわれ たために、高天原と中つ国から太陽の輝きが消え失せ、すっかり暗闇に覆われてしまいました。そのために神々の不満や怨差の声が聞こえ初め、たくさんのわざわいが起り出しました。

「どうすれば天照大御神を岩戸からつれ出すことができるだろうか」

非常召集令によって天の安の河原に八百万の神々があつまり、 解決策をねるために、高天原会議を開くことになったのでございます。
その席で『造化三神』の一人『たかみむすひ』の神の子で、高天原一の知恵者、思金(おもひかね)の神が名案を出しました。八百万の神々も満場一致でその意見に賛成し、さっそく準備が始ま りました。

まず、太陽の使いの長鳴鳥を集めて、いっせいに「アサー」と鳴かしました
そして天の香久山のさか木を根こそぎ掘り取って、その上の枝に『勾玉のみすまるの珠飾り』を取りつけ、中ほどに『八尺鏡』をかけ、下の枝に『白と青の幣』を垂らして
天照大御神を誘い出す大宴会の準備は大わらわです。こうして、岩戸の前には八百万の神々が、わいわいがやがやと勢ぞろい されました。
そこへ登場してきたのが神々の人気者、あめのうずめ(天宇受 売)でございました。
そして、ステージがわりの大きなおけを伏せてその上に乗り、とんとんリズムをとりながら面白おかしく踊り始めました。

おけは打楽器のように大きな音を鳴り響かせています。調子に乗ったあめのうずめは、しだいしだいに神がかり状態になり、踊り狂い出したのでございます。
そのようすがとてもおかし く、神々はお腹をかかえてどっと笑ったのです。
「世の中は暗く嘆いているはずなのに、どうして外はにぎやかに笑い踊っているのだろうか?」

岩戸の中の天照大御神は不思議に思い、そっと戸を細めに開けました。

それを見たあめのうずめは、すかさず、

「あなたさまよりも尊い神がおられるので、うれしくなって皆で遊んでいるのですよ」

とくるくる舞い踊りながら答えました。

そこへさっと、ふとだまとあめのこやねの二人が、いしこりどめの作った大きな鏡を差し出し、天照大御神の姿を映しました。

天照大御神は、鏡に映ったのが自分だとは知らずに、もっとよく見ようと少しずつ岩戸から体をのり出されたのです。
このようなわけで高天原と中つ国に光がふりそそぎ、ふたたび明るくなったのでございます。神々は、太陽の神、天照大御神のすばらしさを前にも増し てほめたたえました。

昔から、暗いときには楽しく笑い遊ぶことが最良の方法(笑う門には福きたる)だったのでございます。

秋の収穫祭 お神楽